負担付遺贈

遺贈をする際に、受遺者(遺産をもらう者)に対し、一定の法律上の義務を負担させることができ、これを負担付遺贈といいます。例えば以下のような負担が考えられます。

 

・ある人の世話をすること

・ペットの世話をすること

 

負担の内容として、犯罪行為や身分行為(結婚、離婚、養子縁組等)を定めても無効です。遺贈をせずに負担だけ定めても法律的拘束力はありません。負担付遺贈の受益者は、第三者でも、遺言者本人でも、社会に対してでもよいとされています。


負担付遺贈の記載例

【妻の扶養を負担とする負担付遺贈】

第〇条 遺言者は、〇〇に次の不動産を遺贈する。

2 〇〇は、前項の負担として、遺言者の妻佐藤A子が死亡するまで同人と同居し、必要な生活費を支出し、扶養するものとする。

3 佐藤A子が遺言者より先に死亡した場合には、1項の財産を遺贈しないこととする。

 

【ペットの飼育を負担とする負担付遺贈】

第〇条 遺言者は、〇〇に現金1000万円と遺言者の飼い犬ハチ公を相続させる。

2 〇〇は、前項の負担として、遺言者の飼い犬ハチ公を愛情を持って飼育し、ハチ公の死後はペット霊園にて供養するものとする。

3 ハチ公が遺言者より先に死亡した場合には、1項の財産を遺贈しないこととする。

 

【葬儀の実施を負担とする負担付遺贈】

第〇条 遺言者は、〇〇に次の不動産を遺贈する。

2 〇〇は、前項の負担として、〇〇の費用にて以下の方法による遺言者の葬儀及び〇〇家の永代供養を実施するものとする。。

 


負担付遺贈の受遺者がその負担を履行しないとき

負担付遺贈の受遺者がその負担を履行しないときは、相続人又は遺言執行者は相当の期間を定めてその履行の催告をすることができます。

この期間に履行がないときは、相続人又は遺言執行者その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができます。

遺贈の取消しによって、遺贈は初めから存在しなかったことになり、受遺者が受けるべきであったものは、相続人が取得することになります。