債務整理をすると車はどうなるか?

債務整理をすると、車がどうなるのか気になる方は多いと思います。

 

車を残せるかの回収されるのか等々

 

車は絶対必要で車がないと生活できないという方もいるかもしれません。

 

今回は債務整理の種類に応じて考えたいと思います。


任意整理の場合

任意整理の場合は、任意整理をする業者を選ぶことができるので、車の残っている業者を任意整理の対象から外せば問題なく任意整理できます。

 

注意点は、車のローンとカードローンの信販会社が同じ場合です。その業者のカードローンだけ任意整理しようとしても車のローンもまとまてやらないと交渉に応じてくれない可能性があります。その場合は車は所有権留保に基づき回収されてしまいます。


個人再生・自己破産の場合

車のローンがない場合

個人再生の場合、車のローンがない場合は清算価値に加算される点に注意が必要ですが、個人再生を理由に回収されることはないです。

 

自己破産の場合、車のローンが無い場合はその査定金額によっては破産管財事件になり予納金が高額になります。さらに破産管財人によって換価され債権者の返済に回される可能性があります。自由財産拡張が認められる可能性もあります。なお年式が古い車は資産価値として扱われ手元に残することができます。

車のローンが残っている場合

個人再生の場合、車のローンの債権者が対抗要件を備えているかどうかがポイントになります。

 

対抗要件があれば債権者から請求があれば車が債権者に引き渡すことになります。逆に対抗要件が無ければ所有権留保の別除権の効力が認められず債権者は車の引き渡しを請求できません。

 

なお、所有権留保に別除権としての効力が認められない場合には、再生手続における自動車の清算価値は、クレジット残高に関係なく時価評価額になります(個人再生の実務Q&A100問36頁)。

 

自己破産の場合も、車のローンの債権者が対抗要件を備えているかどうかがポイントになります。

 

自己破産の場合も、対抗要件があれば債権者から請求があれば車が債権者に引き渡すことになります。逆に対抗要件が無ければ所有権留保の別除権の効力が認められず債権者は車の引き渡しを請求できません。


車の所有権留保の対抗要件

軽自動車、小型特殊自動車、二輪小型自動車の所有権留保の対抗要件は一般の動産同様に引渡が対抗要件です。この引渡には占有改定も含まれるので、売買契約書により占有改定が認識できるかどうかがポイントになります。

 

上記以外の自動車の所有権留保の対抗要件は道路運送車両法4条による登録が対抗要件になっています。そのため車検証の登録名義人が誰かしっかり確認する必要があります。

 

仮に所有権留保の対抗要件もないのに、自己破産手続中・個人再生手続中に車のローン会社に車を引き渡すと債権者平等の原則に反し、偏波弁済の問題になるので注意が必要です。