退社に伴う持分の払戻し

退社した合同会社の社員は、相続人その他一般承継人が社員となる場合を除き、持分の払戻しを受けることができます。その払戻しは、当該社員がした出資の種類を問わず、金銭によることができるとされています。

 

合同会社の社員の退社に伴う持分払戻額の帳簿価額が、持分払戻しをする日における剰余金額を超えない場合は、債権者保護手続をとることなく持分の払戻しができます。つまり持分払戻金額が剰余金額を超える場合には債権者保護手続が必要になります。

 

合同会社は、持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができます。合同会社が債権者保護手続をして持分の払戻しをした場合、当該退社社員の出資につき資本金の額に計上されていた額が減少します。

 

持分の払戻しのために減少する資本金の額は、持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはなりません。


持分払戻しによる資本金の額の減少登記

合同会社の業務執行社員が退社したときは、業務執行社員の退社による変更登記を、変更が生じたときから2週間以内に申請しなければなりません。資本金の額が減少したときは、その変更登記を、変更が生じたときから2週間以内に申請しなければなりません。

 

合同会社では、業務執行社員でない社員は登記事項でないため、業務執行社員でない社員の退社に伴う持分の払戻しについては、資本金の額の変更登記をすればよいです。

登録免許税

業務執行社員の退社登記が1万円、資本金の額の減少登記が3万円で合計4万円の登録免許税がかかります。

添付書類

・退社の事実を証する書面

・資本金の額の減少につき業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面

・債権者保護手続関係書面

・資本金の額が会社法および会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面

出資の払戻しと持分の払戻しの違い

社員は出資の払戻しを受けても退社しません。これに対して、社員が持分の払戻しを受けたときは当該持分が消滅し、その持分を有していた社員は退社します。