住宅用家屋の軽減税率

住宅用家屋に関しては、要件が整えば、軽減税率が適用され、通常より登録免許税が安くなります。記事作成時のものになりますので最新の法令を御確認お願いします。

登記の内容 条文 軽減税率
住宅用家屋の所有権の保存登記 租税特別措置法72条の2 1000分の1.5
住宅用家屋の所有権の移転登記 租税特別措置法73条 1000分の3
新築又は建築後未使用の特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記 租税特別措置法74条1項 1000分の1
建築後未使用の特定認定長期優良住宅の所有権の移転登記 租税特別措置法74条2項 1000分の1(一戸建ての場合、1000分の2)
住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記 租税特別措置法75条 1000分の1

※建築後使用済みの中古の特定認定長期優良住宅の所有権移転登記の税率は1000分の1ではなく、1000分の3になるのでご注意ください。


住宅用家屋の要件

・個人が自己の居住の用に供する家屋であること。

⇒法人が取得する場合は適用がありません。

⇒共有取得の場合、居住用で取得しない方がいる場合は、その者の取得する持分相当に関しては適用がありません。

⇒自己の居住用建物どうかは登記記録上の種類で判断されます。そのため賃貸を前提とする【共同住宅】では適用がありません。登記記録上の種類が【居宅・物置】や【居宅・車庫】であれば建物全体について適用があります。

登記記録上の種類が【居宅・事務所】や【居宅・店舗】の場合は、居宅部分の床面積が総床面積の90%以上であれば、建物全体について適用があります。この要件を満たさなければ、居住用部分も含め建物全体について適用が受けられません。

この場合表題登記の手続きをした土地家屋調査士が【床面積の内訳を証する書面】を提出し、要件を満たすことを証明することになります。これができない場合は、建築確認書等を持参し、住宅用家屋の適用ができるかどうか市町村と打ち合わせしなければなりません。

⇒居住用を証明するため、新住所に転居した住民票を提出するのが一般的です。

 

・当該家屋の床面積が50㎡以上であること。

※かつては上限の規定がありましたが現在は撤廃されています。

※持分売買の場合、持分でかけると50㎡未満になる場合でも床面積が50㎡以上であれば、床面積50㎡以上として要件を満たします。

(例)床面積60㎡、持分2分の1売買 60×2分の1=30㎡ この場合でも適用可能 

 

・移転登記の場合の登記原因が【売買】か【競売による買受】であること。

※贈与の場合は適用がありません。


手続き要件

住宅用家屋の要件について、市区町村長が発行する証明(住宅用家屋証明)を受けること。

住宅用家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けること。


登録免許税の税率の軽減措置がされる住宅用建物の要件

次の特例の適用対象となる住宅用家屋の要件について、築年数要件を廃止するとともに、新耐震基準に適合している住宅用家屋(登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす。)であることを加えた上、その適用期限を2年延長する。(令和4年4月1日施行)

 

①住宅用家屋の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置

②特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置

③住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置

 

昭和57年1月1日より前に建築されたものに関しては、建物が耐震基準に適合しており、建築士等が発行する【耐震基準適合証明書】を添付して住宅用家屋証明書の申請を行った場合は、租税特別措置法73条が適用されます。