不動産売買の無効

不動産の売買契約が無効になるケースがあります。

 

それは公序良俗違反による無効や錯誤無効などです。

 

民法90条で、【公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。】と定められています。

 

例えば犯罪行為による契約や社会的倫理に違反する契約は無効となります。

 

民法95条で、【意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。】と定められています。


不動産売買の錯誤無効

錯誤無効は、契約時に売買代金1000万円と書くはずが、間違えて1000円と契約書に書いてしまった場合、錯誤無効を主張できます。

 

このように内心の意思(1000万円)と表示内容(1000円)が異なる場合、錯誤(表示の錯誤)となり、契約は無効となります。

 

動機の錯誤では原則民法95条による無効を主張できませんが、下記要件が整えば民法95条による無効を主張できます。

 

1.事前に動機が契約相手に表示されている場合

2.錯誤が要素の錯誤(重要な錯誤)である場合

3.意思表示した本人に重大な過失が無い場合


動機の錯誤による無効の例

買主が購入物件であるマンションの部屋からの景色を気にいって、事前に景色が気に入ったため購入する旨事前に売主に伝え、売主も景色を妨げる建造物が建つことはない旨説明を受けていた。

 

しかし売買契約後、すぐにマンションの部屋からの景色を妨げる高層マンションの建築計画が判明した。

 

この場合、マンションの部屋からの景色に関しては、マンション購入の動機にすぎませんが、錯誤無効を主張できます。