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課税地積と登記地積が異なる場合の登録免許税

最近の事例ですが、課税明細書の課税地積と登記地積が異なる土地の所有権移転登記申請をしました。

 

課税明細書上の土地の課税面積と登記面積が微妙に違っていたのを見逃して登記申請したため、登録免許税が微妙に変わり、法務局から補正の連絡が来ました。

 

法務局からの補正の連絡は、心臓に悪いです。

 

本当の事例はもっと複雑なものでしたが、分かりやすいように数字を変えて具体例を下記に記載しておきます。なお合筆や分筆により地積が変わったわけではありません。

 

課税明細書上の固定資産税評価額が930万円

課税地積93.00㎡

登記地積98.00㎡

※当初課税明細書を添付して登記申請していましたが、補正のため名古屋の西区役所の資産税課で固定資産税評価証明書を取得する際、登記で使用すると伝えたら下記のような文言を加入してくれました。

登記地積98.00㎡のうち非課税部分は5.00㎡である。

地方税法第348条第2項第1号及び同法第702条の2第2項の規定による。

国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合及び財産区が公用または公共の用に供する固定資産

 

この土地の相続登記の場合の登録免許税は930万円×0.004=3万7200円というわけではありません。

 

登録免許税の算出上、課税価格に非課税部分も加える必要があるため、課税価格を下記のように算出します。

930万円+(930万円×5.00/93.00)=980万円

この額から登録免許税を算出します。

課税価格980万円×0.004=3万9200円

 

結論 課税明細書の土地の地積と登記簿の土地の面積が異なる場合は要注意です。土地には非課税部分がある場合があります。課税明細書では分からない情報が固定資産税評価証明書では分かる場合があります。固定資産税は非課税の場合でも、登録免許税は非課税ではないです。

 

本事例とは違いますが、公衆用道路や用悪水路で固定資産税は非課税になるケースでも登録免許税はかかりますので注意を要します。

 

司法書士 佐藤賢